島田雄貴「他律的なしつけ」

島田雄貴

2014年09月04日 01:01

他律的なしつけが日常生活において繰り返され、それが子どもにとって習慣化されることによって、子どもは他律的なものを徐々に内面化しつつ、それを自律的なものとして自らのものにしていく。

そして主体性の成長とともに、親の価値意識や社会の共通の価値意識を取り入れながら自らを社会化しつつ、本来の自律性を身につけていくのである。

さて、しつけという親の意図的なはたらきかけは、たしかに子どもが他律的なものを自覚しつつ自律化していく点で、つまり子どもが自らの行為を自律的に判断できるようになるようにはたらきかける点で、その重要性が強調されるものである。

しかしここで問題になるのは、すでにとりあげたように、道徳がどこかにあるものではなく、行為そして人間のあり方や生き方に付いて現れるということである。

このような道徳への意図的なかかわりは、ある事柄の知識を子どもに伝達するのとは性格を異にする。

島田雄貴・教育ITソリューション

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